パーソナライズとは?意味やメリット・マーケティングにおける活用例を紹介
一人ひとりのユーザーの属性や好みに合う情報を提供する「パーソナライズ」は、顧客の情報収集の手段が多様化した現代において、欠かせないマーケティング手法となりつつあります。
本記事では、パーソナライズの意味や重要性、導入のメリットなどを解説しています。マーケティングに取り入れる際の具体的な活用例も紹介するため、ぜひ参考にしてください。

パーソナライズとは

パーソナライズとは、顧客の属性や興味・関心、行動などを分析し、一人ひとりにあわせた情報やサービスを提供することです。すべての顧客に対して画一的な情報やサービスを提供する従来のマスマーケティングとは、対になる考え方といえます。
パーソナライズによって顧客の求めるサービス提供を実現することで、顧客ロイヤリティやコンバージョン率の向上などが見込めます。
パーソナライズが重要視される理由
類似した製品・サービスが溢れている現代市場において、知名度や価格といった要素のみで差別化を図ることは困難です。こうした状況で競合優位性を確立するためには「顧客体験」の優劣が重要な鍵を握ります。
優れた顧客体験を提供するうえでは複数の要素を考慮する必要があるものの、近年特に重要視されているのが「パーソナライズ」です。
参考:KPMG「生活者に支持される顧客体験に関する調査2023-2024」
インターネットの普及にともない情報収集手段が多様化した現代では、顧客は自分自身の好みや目的に合致する情報を取捨選択できるようになりました。顧客自身が企業に合わせるのではなく、「企業・ブランドが自身のニーズに合わせてくれること」を望んでいるのです。
参考:Salesforce「コネクテッドカスタマーの最新事情」
このように、現代では多様化した価値観や趣味嗜好に合わせたマーケティングが求められています。パーソナライズを理解・実践することは、企業の持続的な成長に必要不可欠といっても過言ではありません。
カスタマイズとの違い
パーソナライズは「企業側」がユーザーの属性や興味・関心に最適化された情報やサービスを提供することを指します。
一方で、カスタマイズとは「ユーザー自身が」自分にとって必要な情報や好みにあわせて使いやすいように設定することです。
どちらもサービスをユーザーに合わせるという視点は共通しているものの、「誰が合わせるのか」に違いがあります。
パーソナライズのメリット
以下では、パーソナライズの代表的なメリットを4つ紹介します。
① ユーザーのストレス軽減
パーソナライズを活用することで、ユーザーは自身の欲している情報を効率的に受け取ることができるようになります。
たとえば、行動履歴にもとづいて好みの商品がおすすめされるWebサイトの場合、ユーザーは一から情報を探す手間が省けるでしょう。ユーザーの求めているタイミングで、スピーディーかつ容易にサービスが利用できることは、購買体験におけるストレスを大きく軽減させます。
パーソナライズにより顧客体験を向上させることは、結果としてWebサイトへの再訪問や利用率の向上、リピート購入の促進といった長期的な関係性構築につながります。
② 自社に対する信頼感の構築
先に紹介した調査結果からもわかるとおり、顧客は自身のニーズに寄り添った提案を「企業側から」してもらうことを望んでいます。
パーソナライズを活用し、顧客に「自身のニーズに対してきめ細やかな対応をしてくれている」という印象を与えることは、自社に対する信頼感を構築するうえでとても有効です。
このような顧客ロイヤリティの向上は、市場の成熟した現代における競合優位性の構築に必要不可欠な要素です。
参考:ロイヤリティとは?意味やマーケティングにおける重要性・向上施策を解説
③ 顧客情報の有効活用
パーソナライズを活用すればするほど、顧客の属性や興味・関心といったさまざまなデータが自社に蓄積されます。このようなデータをマーケティング戦略の策定に生かすことで、より顧客のニーズにマッチした情報やサービスを提供できるようになるでしょう。
パーソナライズによって収集したデータは、潜在ニーズの掘り起こしや見込み客のナーチャリングにはもちろん、既存顧客の囲い込みにも有効活用できます。
④ コンバージョン率の向上
パーソナライズを活用すれば、ユーザーの求めている情報やサービスを、求めているタイミングで提供できるようになり、効率的なコミュニケーションが実現します。
パーソナライズを利用した効果的なコミュニケーション例は以下のとおりです。
- ユーザーの行動履歴にもとづいてランディングページ(LP)で表示する情報を出し分ける
- チャットボットでWebサイトの来訪ユーザーを接客し、個々のニーズをヒアリングしつつ有益な情報を提供する
このようなサポートを行うことで、ユーザーの途中離脱を防ぎつつ購買意欲を醸成できます。結果として最終目的へ導きやすくなることから、コンバージョン率の向上が見込めるのです。
マーケティングにおけるパーソナライズの活用例
実際のマーケティング現場において、パーソナライズはどのように活用されているのでしょうか。ここではさまざまな業種で用いられている代表的な活用例を4つ紹介します。
レコメンドシステム
レコメンドシステムは、ユーザーの行動履歴や購買内容などに応じて好みに合いそうな商品をおすすめする機能です。ECサイトや不動産サイト、人材マッチングサイトなど幅広いサイトで活用されるパーソナライズの代表例だといえます。
レコメンドシステムは、大きく以下の3方式に分けられます。
- ルールベースレコメンド
あらかじめ決めたルールにもとづいてレコメンドする。「A広告から流入したユーザーにBを勧める」や「C商品を閲覧しているユーザーにD商品を勧める」といった使い方ができる - コンテンツベースフィルタリング
対象者が閲覧・購入した商品の属性(ジャンルや色、価格など)
を分析し、類似する商品をレコメンドする - 協調フィルタリング
多数のユーザーデータを分析し、対象者と購入履歴が似ている
ユーザーが購入した商品をレコメンドする
レコメンド機能によってユーザーは自身が気付いていない商品に出会うことができ、一から商品を探す手間を省けます。
このような購買行動のサポートが、結果としてアップセル・クロスセルにつながるのです。
LPO(ランディングページ最適化)
LPOとは、収集したユーザー情報の分析にもとづいてLPの改善を行うことで、コンバージョン率の向上を目指すことです。
LPOの基本的な手法はA/Bテスト(特定の要素を変更したAパターン、BパターンのLPを作成し、それぞれの成果を比較することで効果の高いパターンを見つける手法)ですが、ユーザーの属性や行動履歴などに応じてLPに表示させる情報を出し分けることもできます。
たとえば、「過去に一度も購入履歴のないユーザーには、新規購入特典を強調する」「以前商品を閲覧したことのあるユーザーには、一歩踏み込んだ情報を提供する」などといったパーソナライズが可能です。
ユーザーが興味を持つ情報を届けること、つまり不要な情報を届けないことが、結果として効率のよいマーケティングにつながります。
Web接客
Web接客は、チャットボットやポップアップなどを用いてWebサイトへの訪問者を接客する手法です。ユーザーに取ってほしいアクションを促したり、離脱を防いだりすることで、コンバージョン率の向上に貢献します。
参考:ポップアップとは?ツールの導入目的や方法をわかりやすく解説
Web接客ツールを活用すると、ユーザーの属性や行動履歴にあわせて「最適な情報を」「最適なタイミングで」提供できるようになります。
たとえば、Webサイトを離脱しようとしたユーザーにポップアップを表示し、チャットボットとのコミュニケーションへ誘導することで継続的な接点を構築する方法もあります。
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メールマガジン
SNSの普及している今日でも、ビジネスにおいてメルマガはまだまだ有効な手段です。しかし、従来のように「内容・タイミング・送信先」が画一的なメルマガは、情報収集の手段が多様化した現代の顧客には刺さりません。
そこで、ユーザーの居住地や興味・関心、購買履歴などに応じて配信内容を変更する「パーソナライズメール」が活用されるようになりました。
パーソナライズメールは、ユーザーの嗜好やニーズを把握したうえで配信内容を調整できるため、開封率やリンクのクリック率が高くなります。ユーザーには「いつも自身の求めている情報が配信される」と感じてもらいやすく、長期的な信頼関係を築くうえでも有効です。
パーソナライズを実現する「セグメント配信」
セグメント配信は、パーソナライズを実現するうえで避けては通れない情報発信手段です。
セグメントとは、「同じような特徴を持っているユーザーのグループ」のことで、グループ分けは居住地や年齢、性別、興味・関心、行動履歴など、さまざまな切り口から行うことができます。
この各セグメントに対し、それぞれのニーズに合致したメッセージを配信するのが「セグメント配信」です。
参考:セグメンテーションとは|ターゲティングとの違いや成功事例・LINE活用法も紹介
前述したメールマガジンにおけるパーソナライズもセグメント配信を利用したものですが、より開封率や即時性を重視した手段として「LINE公式アカウント」があります。
参考:【2024年版】LINE公式アカウントとは?機能や料金・使い方を基礎から解説
LINEは、メールや他のSNSと比較して1:1のコミュニケーションを構築しやすいというメリットがあるため、セグメント配信によるパーソナライズ化に向いています。
たとえば、「東京在住の30代女性」にのみ限定クーポンを配信する、「ECサイト経由で友だち追加したユーザー」にのみウェルカム特典を付与する、などといった運用が可能です。
ユーザーは自分にメリットのある情報のみを受け取ることができるため、信頼感の構築やコンバージョン率の向上につながることはもちろん、ブロック率の改善にも貢献します。
LINE運用の成果が十分に感じられないとお悩みの担当者の方は、セグメント配信を利用したパーソナライズを実践してみましょう。
パーソナライズをマーケティングに導入しよう
多様化した価値観や趣向に合わせたマーケティングを消費者が求めている一方、それを実践できている企業は多くありません。つまり、顧客一人ひとりと向き合う手段としてパーソナライズを導入することは、他社との差別化を図る貴重な一手になり得るのです。
ぜひ本記事で紹介した活用例をもとに、自社に合う選択肢をマーケティング活動に取り入れてみてはいかがでしょうか。

で、